近年、世界的に電気自動車（EV）の普及が進んでいますが、日本におけるEVの現状はどのようになっているのでしょうか。本コラムでは、日本のEV市場の現状と今後の課題、展望について解説します。

日本では、ハイブリッド車（HV）が圧倒的なシェアを占めているため、EVの普及は他国と比べるとやや遅れています。2023年時点で、日本国内の新車販売に占めるEVの割合は約2%程度とされており、アメリカやヨーロッパ、中国と比較すると低い水準にとどまっています。

その一方で、日本政府はカーボンニュートラルの実現に向けて、2035年までにガソリン車の新車販売をゼロにする目標を掲げており、今後のEVシフトが期待されています。

日本でEVの普及が進まない要因として、以下の点が挙げられます。

・充電インフラの不足
国内の充電スタンドの設置が進んでいるものの、まだ十分とは言えません。
マンションやアパートなどの集合住宅での充電環境の整備が課題。

・車両価格の高さ
EVはバッテリーコストが高いため、ガソリン車と比べて車両価格が高額になりがち。
一方で、政府の補助金や自治体の支援策が普及を後押し。

・航続距離の不安
ガソリン車と比較すると、EVの航続距離が短いと感じる消費者が多い。
高速充電技術の向上やバッテリー性能の進化が求められる。

EV市場の成長を加速させるために、国内の自動車メーカーも本格的にEV開発を強化しています。

・トヨタ：EV開発に本格参入し、2026年までに新型EVの大量生産を計画。

・日産：リーフに続き、新型EV「アリア」などを展開。

・ホンダ：GMとの協業を活用し、EV市場への積極的な投資を進める。

また、政府や自治体による充電インフラ整備の加速、電気料金の割引制度の拡充など、EVの利便性を向上させる施策も進行中です。

EVの普及を加速させるためには、以下のような取り組みが重要になります。

・充電インフラの整備拡充

・バッテリー技術の向上による航続距離の延長

・政府補助金や税制優遇の継続

・再生可能エネルギーの活用による環境負荷の低減

日本のEV市場は現在成長段階にあり、普及にはまだ課題が多いものの、今後の技術革新や政策支援によって、EVの普及が加速することが期待されます。消費者がEVを選びやすい環境づくりが進めば、日本でもEVのシェアが大きく拡大する可能性があります。