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  3. 自働車ディーラーの営業の仕事内容について
自働車を買うとき皆さんはどこに行きますか?道路沿いにあるトヨタやホンダ、スズキなど自動車メーカーの看板のお店に行くと思いますが、これらのお店のことを自動車ディーラーと言います。代表的なものであれば、トヨタカローラやホンダカーズのことです。購入を考えたときにしか行くことがないディーラーの営業スタッフはどのような仕事をしているのでしょうか。車を売るだけの仕事だけじゃないの?と思われるかもしれませんが、車を売る、車を売った後のお仕事はどのようなものでしょうか。そして、ディーラー営業スタッフの仕事の嬉しい話や苦労話など知らないことが多いと思います。
車が好きな人やこれから自動車業界で働きたい人、新車の購入検討でディーラーへ訪問する人にもぜひ見て欲しいディーラー営業の仕事内容とキャリアについてご紹介します。

1.ディーラー営業職の種類

カーディーラー営業スタッフは、自動車の販売からその後のアフターフォローをすることが主な仕事となります。業務内容は「外回り」営業と「来店型」営業があります。ディーラーにはどのような営業職があるのかご紹介していきます。

1-1 直販営業

ディーラー店舗で対応する「来店型」の営業職です。国道沿いにあるメーカー系ディーラーの多くはこの営業スタイルです。来店したお客様の接客や車の販売、メンテナンス入庫促進、自動車保険などを提案していきます。土日祝は展示会などの店舗イベントの企画・開催による集客活動をします。平日は来店客も少ないため管理顧客のもとへ訪問し、新車の買い替えやメンテナンスの提案を行う「外回り」営業もあります。

1-2 業販営業

街の自動車販売店や自動車整備工場などに車を販売する営業職です。「外回り」型の営業スタイルで、お客様へ直接販売するのではなく自動車販売店を訪問し、車を卸したり、商談の同席や販売店の代理で直接お客様とも商談をすることもあります。販売店の展示会企画・開催まで携わったりします。この手法はスズキやダイハツなどが多いです。

1-3 法人営業

「外回り」型の営業として法人営業もあります。一般企業・リース会社・官公庁に対して車の販売活動をします。営業車は一度に数十台販売するため大口取引が多いです。

ディーラー営業は、街中で見かけるショールームで個人のお客様向けの営業活動を行うだけでなく、地元の自動車整備工場や一般企業へ車を販売するディーラー営業もいています。

2.ディーラー営業の仕事内容

ディーラー営業スタッフは、どのような仕事をしているのでしょうか。
この項目では、カーディーラーの具体的な仕事内容についてご紹介していきます。

2-1 顧客管理

来店型の営業スタイルが主流になっていますが、昨今は新規来店のお客様は少ないのが現状です。見込み客を作るためには自社の車を保有している顧客へのアフターフォローが重要となります。顧客への定期的な調子伺いのために自宅訪問します。新車試乗会などイベント情報やメンテナンスや自動車保険など車に関する情報提供する活動をします。

2-2 自動車販売(営業活動)

自動車ディーラーのメイン業務は、管理顧客や新規でご来店されるお客様への自働車販売自動車です。自動車の商談は、ご来店して即決するお客様もいれば、1年以上経ってようやく成約するお客様もいます。また閑散期になると商談の来場者数も少なくなるため、日頃からカタログや新車の見積もり、査定ツール、試乗車に乗って管理顧客の自宅を訪問して営業活動することもあります。日頃からマメにお客様のもとへ足を運んだり、電話フォローするなど営業活動をした分だけ成約率につながります。また、来店型のディーラーでは、週末になると店舗イベントを催します。新車展示会や車検見積もり会、お子さま向けの企画、行事ごとのイベント(例えば母の日・父の日など)に合わせての成約プレゼントから粗品までも企画します。その企画をもとにDMや電話呼び込みをして来場につなげる活動もしています。

2-3 自動車購入後から納車までの業務

お客様から自動車の購入を決めていただいてから納車までの業務になります。まず注文書や売買契約書を作成しお客様と契約を交わします。受注した車種の在庫をメーカーに確認します。在庫があれば1ヶ月以内に登録して納車となりますが、昨今はコロナ禍や半導体不足により半年待ちとなることがあります。車両手配を完了すると大まかな登録予定日が決まります。登録までの期間に諸費用や車両代金の回収しておきます。さらに納期の長期間かかる場合は、お客様によってはキャンセルを申し出る方もいるため定期的にお客様のフォローを忘れずにします。登録予定日が近くなると、お客様から委任状や印鑑証明証や住民票、車庫証明に必要な書類をもらいます。委任状は登録申請代行に必要なもので、登録書類と合わせて営業スタッフは自動車登録や各諸税の申請手続きを行います。登録が終わるとディーラー店舗へ新車の配送手配を行います。ショールームに到着後、新車のオプション部品やナンバープレートの取り付け、新車の洗車やキズがないかなど最終チェックをします。そして、お客様に新車を納車します。お客様の指定で自宅納車もありますし、最近はショールームで納車式を行い、お客様に花をプレゼントしたり車と写真を撮ったりして喜んでいただけるような取り組みをしています。

2-4 メンテナンスなどアフターサービスの拡販活動

「メンテナンスや車検入庫」

車は購入したら終わりではありません。次もお客様からこの自動車会社の車を購入していただけるような取り組みが重要となります。それがメンテナンスや自動車保険など車に特化したアフターサービスです。車に乗っていると車検やメンテナンスを受ける必要があります。営業スタッフは、お客様にメンテナンスや車検入庫の呼び込みを行います。車検なども付いたメンテナンスパックの加入をお客様に勧めて、安心して車に乗ってもらうよう提案をします。半年に一度は点検入庫でお客様とのコミュニケーションを高めることにもなりますし、ディーラーの整備士から車の状態や点検を踏まえて予防整備の提案をすることでお客様に安心と信頼をしていただけます。この活動は車検の入庫に繋がります。最近はガソリンスタンドや量販店など格安車検が受けるなどユーザーからの選択肢が増えています。一度車検を他所で受けるとディーラーと疎遠になりやすくなり、次の販売チャンスを逃すことになりかねます。メンテナンスや車検入庫促進の活動はとても大事なものです。

「自動車保険の提案」

車を購入すると運転中に事故でケガしたり、相手にケガをさせてしまったときに備えるために自動車保険を加入するかと思います。最近ではディーラーでも自動車保険に力を入れていて、営業スタッフも加入提案を行います。事故があった際に皆さんはどこに電話をしますか?警察や救急はもちろんですが、車の修理するときには整備工場=ディーラーに電話をすると思います。ディーラー自動車保険であれば担当営業スタッフに事故状況を伝え、代理で保険会社の事故受付に連絡をします。さらにレッカーサービスの手配と入庫後のレンタカーや代車の準備もスタッフが行います。そうすることでお客様に安心していただけるだけでなく、事故後のフォローもしていただけるので、信頼を得ることができます。

「JAFやクレジットカード、保証延長などの提案」

メンテナンスや自動車保険だけでなく、車のあらゆる商品を提案していきます。JAFなども昨今は自動車保険付帯のロードサービスがあるからと思われますが、レッカー救援では保険付帯ではないものもあったりします。またクレジットカードもディーラー独自に整備入庫や部品購入時の支払いでポイントが貯めたり、使ったり出来るものを提案します。さらに新車のメーカー保証は3年と5年ですが、近年では代替サイクルが伸びていることから新車延長保証を提案するディーラーもあります。

お客様のカーライフを安心して乗っていただけるよう、これらの提案することが営業スタッフ仕事となります。車は高価な商品ですし、またあまり詳しくない人が乗ると不安でいっぱいなお客様もいます。このような提案とサービスが「安心と信頼」を得ることとなり、次の購入に結びつきます。ディーラー営業スタッフは、ただ売るだけでなく提案力も大事になります。

3.ディーラー営業の1日

ディーラー営業スタッフの1日は、店舗の営業時間中に業務をしています。
平日と休日の1日をみていきましょう。

3―1 平日のスケジュール

平日は基本的に来場者数も少ないため、自動車登録申請用の書類作成をしたりと事務処理をします。合間にご来店したお客様と面談し、情報収集や車の乗り換え提案などをします。また週末展示会イベントを催すために企画立案をします。また昼間は顧客の自宅にお伺いし、フォロー活動をします。先週末のご来店いただいた見込み客の自宅へ御礼と次週末の呼び込みをします。

3-2 休日のスケジュール

休日は終日お店での対応に追われます。展示会のイベントを催します。休日は新規のお客様やお約束していたお客様が来場されるため、とても忙しい1日なります。基本的には呼び込んだお客様との商談が多いですが、車検見積もりやメンテナンス来店のお客様に乗り換え提案します。

4.自動車ディーラーのやりがい、嬉しかったこと

自動車ディーラー営業の仕事をしていて、車を売るだけでなく、たくさんのお客様と接客をしていると、この仕事をやっていて良かったこと、やりがいや嬉しかったことがあります。

4―1 お客様との信頼関係を築くこと

「担当があなたで良かった」というようなことを言ってもらったときの喜びは大きいです。もちろん時にはお客様から厳しい言葉で苦情を申し出されることもあります。本当に心が折れるような気持になります。営業活動は、日頃からマメにお客様のもとへ訪問をしたり、電話フォローすること、お客様が今一番何を求めているかを瞬時に把握し、回答をすることで信頼関係を築くことができます。とくにメンテナンスや整備・修理、事故対応などお客様が不安になることを営業スタッフが解決してあげると、お客様としても冒頭の言葉を発してくれます。その時初めて、お客様に認められたと思います。

4-2 インセンティブ報酬

車の販売台数に応じた奨励金制度を設けている自動車販売会社があります。例えば 売りたいコンパクトカーを設定した台数を受注したり、個人の計画台数達成したりすると数万円が報酬として貰えます。車の受注台数に応じて月収が上がりますし、年収も上がります。成果を出せば出すほど給与も上がるため、やりがいにつながります。

4-3 売れた時の達成感と嬉しい一言

営業活動をしていると車が売れないことはよくあります。どの業種の営業でも同じかと思いますが、管理顧客に売り込みをしても当然ながら「要らない」と言われ、新規開拓で飛び込み訪問しても門前払いされるなど気持ちが焦ったり、辛くて辞めたいと思うことも多々あります。それでも自動車ディーラーは自動車を売ることがメインです。商談や営業活動を続けた結果、これまでの活動のストーリーがある分だけ売れた時の達成感は凄くあります。自動車を買う決断をするのはお客様です。自社系他店舗や競合他社もあるなかで、「自分を選んでくれた、自分から買ってもらった」ことはとても営業スタッフとしてもとても嬉しいことです。お客様からも「あなたから買いたい、買って良かった」「あなたの頑張りで買いました。ありがとう」などお客様からそのようなお言葉を仰ってもらえることは、大きな喜びとやりがいに繋がります。

5.自動車ディーラーの辛いこと、大変なこと

嬉しいことだけではありません。ディーラーの仕事をしているとお客様からお叱りを受けたり、自分の時間がなかったりします。辛いこと、大変なことを見ていきましょう。

5―1 休みがとりにくい、残業が多い

一般企業は土日祝日がお休みとなりますが、ディーラーの多くは土日祝日にお店が開いていることがほとんどです。平日と比べると週末はショールームへ足を運ぶお客様が増えるため土日に休むことは、余程の理由がない限りは難しいです。基本は平日にショールームお休みとなる固定休プラス1日の週休2日制を採用しているため、休みがしっかりあると思われますが、お客様の都合によっては平日に商談や納車で余儀なく出社することもあります。また連休が取りにくいため家族や友達との休みが合わないことがあります。
また、自動車ディーラーも接客業のため、定時や閉店時間でもお客様対応をしないといけないケースがほとんどです。そのため必然的に残業が多くかつ長くなります。理由としては、お客様都合による時間外の販売活動やメンテナンスによる納車があるなど業務をせざるを得ないこともあります。そのため勤務後に自分の時間を作ることが出来ないのです。

5-2 計画目標(ノルマ)の達成や数字に追われる

営業職は必ず計画目標(ノルマ)があります。もちろんディーラーもその1つです。しかしながら、スーパーの食品を買うのと違い、車は高額商品であることや早々に車を乗り換えることもないため、車が売れない・ノルマが達成できないこともあります。さらに個人の計画目標が達成されていても、お店全体の計画目標が達成していなければ、さらに数字を追わされることもありますので、無限に数字に追われ続けます。また最近のディーラーは車だけで収益が得られないため車検入庫台数や自動車保険の件数、ナビやタイヤ、コーティングの販売件数もノルマを課せています。あるディーラーでは車に関するものだけではなくスマホ販売の件数があるそうです。

5-3 クレームを受けやすい

製品に対してのクレームや営業スタッフの接客対応などのクレームがあります。製品に対するクレームの一例では、「カタログや商談時に聞いていたよりも燃費が悪い」や「整備を受けたばかりなのに故障した」などあります。さらに営業スタッフは接客業でもあるので、スタッフの気配り不足や言葉遣い、お客様とのお約束を守らなかったことで起きるクレームがあります。営業スタッフは誠実な対応をしていても、お客様次第ではクレームを受けることはたくさんあります。メンタルの強さとクレームに対応する能力が必要となります。

6.自動車ディーラー社員の職場環境について

自動車ディーラーの職場環境はどんな感じなのでしょうか。お休みや残業はあるの?将来どんなキャリアになるのか見ていきましょう。

6―1 雇用環境

自動車ディーラーの雇用形態は、職種にかかわらずほぼ正社員です。特に営業職は正社員
として雇用されています。事務職を中心とした本社勤務のスタッフは、正社員だけでなく、契約社員やパートさんがいるケースもあります。

6-2 休日

多くのディーラーの定休日は「水曜日」です。ディーラーよっては月曜日や火曜日を定休日にするディーラーもあります。基本的に土日祝日は集客が多いので営業していますし、正直なところ稼ぎ時のためお休みすることも難しいです。祝日も土日同様出勤です。特に3連休となる週末には展示会などのイベントを催します。ただし、大型連休のゴールデンウイークやお盆休み、年末年始に1週間近くまとめてお休みがあります。ただしディーラーによっては、暦通りではない場合があります。ゴールデンウイークなどは祝日に休むディーラーもあれば、前後ずらして休み、祝日は営業するディーラーもあります。

6-3 勤務時間と時間外勤務

国内のディーラーの多くは、朝10時からオープンです。そのため勤務時間10時から18時半または19時となります。10時オープンのお店では、従業員はショールームの清掃や展示車の清掃や洗車などして開店準備します。実働時間は1日7時間半から8時間程度となります。またお昼時間は45分から1時間あります。時間外業務については、1日2~3時間程度、月当たり約20時間の時間外業務が発生しています。さらに週末イベント開催しているとお客様の来場も多いため状況によっては、遅くまで時間外業務が発生しています。また、お客様都合により閉店後に車の納引き対応、商談や展示会イベント招致のため在宅率の高い19時以降に顧客訪問するために残業するケースもあります。特に販売計画が達成出来ていない場合は、訪問だけでなく夜遅くまで電話での呼び込み活動をすることもあります。

6-4 キャリア

自動車ディーラーでのキャリアステップについてご紹介します。新卒入社の新人は、店舗に配属後、自動車に関する知識、保険、マナーなど研修、先輩と現場でのOJTを実施しながら習得していきます。一人で任せて車の販売やメンテナンス促進、登録申請などの一通りの業務が出来るまで2~3年は時間を要します。中堅スタッフになると、販売台数のボリュームも高くなるだけでなく、お客様の手厚いフォローや提案力、後輩のサポートをする指導力が問われるようになります。また同時にサービススタッフ(整備)とも連携した業務活動も増えていきます。5年目以上になるとこれらの経験を積むことで副店長や店舗マネージャーとして店長をサポートしていきます。店舗全体に目を配ったり、時には他メンバーのお客様対応に入ることもあります。そして、店舗責任者である店長となります。スタッフのマネジメントや売り上げ管理などを担います。店長はすべての営業スタッフがなれるわけではありません。個人の販売台数や上記のようなマネジメント力、提案力などがスタッフしかなれません。
店長になった次は、エリア営業本部長や営業部長や役員など出世への道が続きます。ただメーカー直営店でもメーカーの意向が強いディーラーになると店長もしくは課長職までのキャリアしかなく、それ以上の役職はメーカー出向者しかなれないケースもあります。

6-5 研修や資格

自動車ディーラー営業スタッフは、車の販売をする上でのスキルアップ研修を受けています。新入社員から中堅・ベテランまですべてのスタッフが受けます。競合他社より新型車が出たときや、自動車業界も変革が激しいため商品知識を磨くための研修やお客様満足度を上げる、喜んでいただけるように接客対応・販売力・マナー研修を実施し、スキル向上につなげています。また外部講師を招いたマネジメント研修、保険会社主催の保険知識研修なども受けています。
次に自動車ディーラーの営業スタッフは営業活動するなかでこのような資格をもっています。
代表的なもの2点ご紹介していきます。まず自動車保険の提案をすることを上記でご紹介しましたが、保険募集するには「損害保険募集人資格」がなければいけません。この資格をもっているからこそ、お客様に適切な保険提案をすることが出来ます。昨今では、火災保険や傷害保険、生命保険などの募集人資格を取得する営業スタッフもいます。車だけのお付き合いではない取り組みもしています。そして、店舗に行った際に愛車の下取り査定をしてもらうことがあると思いますが、査定にも資格が必要で「中古車査定士資格」があります。せっかく愛車を下取りに出すのなら、しっかりと価格評価して欲しいのがお客様の願いかと思います。プロの査定士にお願いすることで、お客様にとっても査定価格への信頼感や安心感は高まります。

7.自動車ディーラー営業スタッフの給与・年収

自動車ディーラー営業スタッフの平均年収は、約400万から500万円ぐらいが目安となります。給与や賞与にもよりますが、年代別でも20代は約400万円、30代になると約500万円位はあります。給与は、年次だけでなく営業経験やスキルが高いほど年収は上がります。そのため車の成約台数が多いほど年収に大きく関係してきます。また自動車販売会社でも地方ディーラーや業績が悪いところだと年代によっては平均年収を下回るケースもあります。年収がそれなりに高い理由をみていきましょう。

7―1 給与

まず給与は一般的に「基本給+歩合制」です。自動車ディーラーによりますが、基本給は四年制大学卒だと約20万円、短期大学卒で約19万円が多いです。そこから販売奨励策によりプラスになっていきます。ディーラーや年次によって異なりますが、1台契約毎や販売計画達成などで加算されるようになっています。そのため成約件数が多ければ多いほど給与は上がります。入社1~2年目の社員でも成績が良ければ月収30万円前後まで得るスタッフもいます。

7-2 昇給

自動車ディーラースタッフの多くは昇給制度があります。昇給制度は販売会社によって異なります。一般的には年度の変わった4月に毎年1回あるケースが多いです。また昇給は勤続年数が長いほど年収アップにつながります。自動車販売株式会社の求人情報などに昇給に関する情報がありますので確認してみましょう。

7-3 ボーナス

多くの自動車ディーラーでは年2回(6月・12月)賞与が支給されています。こちらもディーラーの規模や業績、個人の実績によって異なります。年代別に見ていくと20代で40~60万円、30代50~70万円ぐらいとされています。また昨今のディーラーのボーナスは、平均5.0ヶ月実績を出しているところが多く、小売業としては比較的高い業種ではないかと思います。こちらも求人情報を参考にしてみてください。

7-4 各種手当

基本給の他にも会社で定められている手当などがあります。一般的に取り入れているものをご紹介していきます。まずどの企業でもあります「時間外手当」です。特に営業スタッフはお客様都合により営業時間外の販売活動やお客様訪問をすることもあります。また、店長や課長、部長など役職に応じて支給される「役職手当」や自動車ディーラーの社員が通勤するための「通勤手当」や従業員が通勤車としての車両購入補助するための「セールスカー手当」などもあります。また働き方改革により「子育て支援手当」や「家族手当」などがあります。

8.自動車ディーラーの現状と将来性について

8―1 自動車ディーラーの現状

自動車業界について全体的に縮小しています。理由としては少子高齢化や20代を中心とした若者の車離れ、乗り換えサイクルの長期化などがあります。少子高齢化と若者の車離れは大きく業界に影響を及ばしています。まず若者が車を保有しない分、高齢者の保有率が高いです。しかし昨今の高齢者ドライバーの事故から免許返納者が増えています。減少しても少子化と若者が車の保有をしないことから、車が売れない=販売会社の収益も低下することになります。なぜ若者は保有しないのか?その理由は、自動車の維持費が高いからです。購入費も高いですが、駐車場代、保険料、メンテナンス費など含めると月10万近くは車の維持費になります。給与の半分以上が車の維持費は今の若者にはとても大変です。また車を保有するステイタスよりもスマホのゲーム課金や趣味などに使う方が好まれるようです。

8-2 自動車ディーラーの将来性

 ディーラーの現状を見ていくと自動車が売りにくい時代になっています。この環境下でもどのように収益をあげていくか模索しているディーラーが多いです。ディーラーは自動車だけでなくメンテナンスや自動車保険や生命保険、携帯電話などを販売し、さらにカーシェアリングやカーリースなどで他社に流出しないよう囲い込みの強化をしています。市場は縮小傾向のため現在8社の自動車メーカーも経営状態は安定しているものの、今後は業界再編や自動車ディーラーの規模や販売店舗数を減らしたりする動きがあります。実際にトヨタディーラーや商用車の日野自動車なども販売店の再編をしています。またEVなど電気自動車も近い将来増えてくると思いますが、自動車メーカーだけでなく家電メーカーなどの参入も可能性も考えられます。

9.まとめ

自動車業界が今後はますます縮小傾向にあります。そんななかでも自動車ディーラーの仕事は、第一に「車を売る」です。厳しい環境下でも売る前に顧客とのつながり、関係構築があって初めて車が売れます。車は高額商品で乗り換えサイクルも10年近くなっているためなかなか売れません。ノルマに追われる毎日ですが、お客様から「君から車を買うよ」と言われたときに今までの営業活動が実ったと達成感と嬉しさを感じる仕事でもあります。そして、買ってもらった車がそのお客様とそのご家族の思い出の1つになってもらえるよう、車を通じてお手伝いができるのがディーラーの営業スタッフなのです。

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