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自動車整備士としての仕事上の厳しさは?労働環境が良くない理由

自動車整備士の労働環境は「3K(きつい・汚い・危険)」と表現されることも多いです。
実際に、整備工場は夏は暑く冬は寒く、過酷な現場なケースがほとんどです。
しかし、自動車整備士の仕事は企業の規模や職場によっては、労働環境に差があります。
「自動車整備士の労働条件は悪い」とは一概には言い切れません。
そこで今回は、自動車整備士の労働環境が良くない理由や仕事の厳しさについて解説します。
自動車整備士の現状を知り、今後の就職や転職に役立てましょう。

自動車整備士の仕事の厳しさ

自動車整備の仕事は、車の点検や整備を通じて人の安全や便利な現代社会を支えています。
自動車整備士は車が大好きな人に人気のある職業の一つですが、労働環境が過酷なことで知られています。

自動車整備士は過酷な労働環境が多い

実際の自動車整備士の職場によって、労働環境は差がありますが、大変なことは多いのは事実です。
ここからは、自動車整備士の大変な仕事を詳しく見ていきます。

夏は蒸し暑く冬は非常に寒い

自動車整備士は労働環境が厳しい整備工場で一日中過ごすことが多いです。
会社によって労働環境は異なりますが、空調設備がない現場もあり、夏は蒸し暑く、冬は寒い過酷な状況です。
冷暖房のある工場であっても、面積が広い工場の場合は、排ガスを排出するために、窓を開けて風が入るようにしています。

夏場は大型の扇風機や冷風機を設置しますが、車から排出されるガスで猛烈に暑くなります。
工場内はかなり蒸し暑くなるので、こまめな水分補給を欠かせません。
作業中は全身から汗が吹き出てきますが、汗拭きのために首からタオルをかけることは禁止されています。
タオルの生地が車の部品に引っかかり危ないため、作業に支障をきたしてしまうからです。
自動車整備士は作業中に服装や皮膚が油まみれになるので、作業服は長袖のツナギを着用します。
真夏の非常に蒸し暑い工場の中でも、厚い生地の長袖のツナギを着用して作業しなければなりません。
多くの自動車整備士は速乾性のあるTシャツをインナーに着用していますが、毎日汗だくの状態です。
労働環境が厳しいのは真夏だけではなく、真冬も耐えられないほど過酷な状況にあります。
冬場でも工場内は風通しを良くするために窓を開けているので、冷気が入り、非常に寒くなるのです。
冬場の作業は手先がかじかんで冷たくなってしまうため、多くの整備士はメカニック専用のグローブを着用します。
全身が冷えてしまうと作業効率が低下するので、作業服の下に防寒対策をしておくことが大事です。

3K(キツイ・汚い・危険)

自動車整備士の仕事は「3K(キツイ・汚い・危険)」と呼ばれる仕事の一つです。
3Kの仕事は、他にも建設や土木関係、介護や看護などが挙げられます。
3Kの仕事は、仕事内容がキツく、労働環境が汚く、危険な仕事が多いとう点が共通しています。
自動車整備士の仕事はまさに肉体労働のため仕事がキツく、一人あたりに任される仕事は多いです。
近年は少子高齢化により、整備士の人手不足が深刻化しており、長時間労働も多いのが現状です。
整備士は個人の車だけでなく、トラックなどの運搬車両も対応するため、目まぐるしく忙しくなることもあります。
車の点検・整備・分解しいる間は部品から多くの油が飛び散り、作業着や皮膚が油まみれになります。
特に大型トラックの場合は、作業着の色が変わってしまうほど汚れてしまうのです。
そして、自動車整備士は重量物があるものに押しつぶされるリスクや感電する恐れもあり、危険性も伴います。

力仕事が多い

自動車整備士は重量のあるエンジン、タイヤなどを持ち上げる力作業が多く、体力が求められます。
ベテラン整備士は力を入れずに効率的に扱えるようになりますが、新人は腰を痛める人も多いです。


常に勉強しなければならない

自動車業界はめまぐるしく技術が進歩しており、整備士も時代に合わせて常に勉強する姿勢が求められます。
今後はガソリン自動車から電気自動車やハイブリットカー、自動運転のAIを導入した車が増えます。
自動車整備士も資格を持っているだけでは十分ではなく、新しい知識や技術も学ぶ必要があるのです。
向上心を持って多くの技術を習得することで、プロの自動車整備士として自信が持てるようになります。

接客・コミュニケーション能力も必要

自動車整備士は点検や修理、分解といった技術的な提供だけではありません。
車のオーナーであるお客様と話をしたり、接客する機会も多いです。
実際に現場で働くと、お客様にどうすれば分かりやすく伝えられるか悩むことも多いです。
車の不具合箇所や修理内容をきちんと説明して、理解してもらえるコミュニケーション能力も必要です。

土日祝日も仕事

自動車整備士の職場は、正規ディーラーや整備工場、中古車販売店などが挙げられます。
多くの職場は、土日祝日にお客様が多く来店するため、整備士も出勤となることが多いです。
週休二日制を採用している職場は、ほとんど休みは平日となり、土日祝に休むことは難しいです。
自動車整備士に限らず、サービス業は土日祝は仕事が多く、家庭との両立も大変になるでしょう。

給与が低い

自動車整備士は仕事内容と給与が割に合わないと辞めてしまうケースが多く見られます。
平成30年度、厚生労働省が発表した「平成30年賃金構造基本統計調査」によれば、平均月給は29万円、平均年収は425万円です。 
全業界の平均年収約490万円と比較すると、自動車整備士の給与は平均水準よりも低いと言えます。
高卒から整備士になった場合は初任給15万円、専門学校卒は17万円と低めの設定です。
勤続年数が長くなると給与も徐々に上がりますが、他の仕事と比較すると大幅な伸び率はありません。
給与が低いにも関わらず、力仕事や過酷な労働条件の下に入るため、営業職に転職する整備士も多く見られます。

自動車整備士の年収や待遇は職場によって差がある

自動車整備士の主な職場は、カーディーラー、民間整備工場、中古車販売店、カー用品店などが挙げられます。
どの職場も仕事内容は厳しいことには変わりありませんが、年収や福利厚生などの待遇は職場により異なります。
小規模の整備工場では年収が低めに設定され、待遇や福利厚生はあまり充実していません。
正規カーディーラーで働く整備士の方が平均年収が高く、福利厚生も充実していることが多いです。

自動車整備士の労働環境・待遇が良くない理由

自動車ディーラーは多くの販売店(販社)があり、それぞれ独立しているため、労働条件は販売店によって異なります。
民間の整備工場は人手不足が深刻化しており、長期労働や残業が多く、ブラックな体質も多く見られます。
多くの職場は体育会系の上下関係が厳しいケースが多いのも、労働条件が改善されない一因です。

自動車整備士の労働環境の改善は進むのか

近年は、若者の車離れや都市部でカーシェアリングの利用者も増え、自動車整備士になる人も減っているのです。
自動車整備士の人手不足や労働条件の悪さによる離職率の高さは改善が求められます。
日本政府は対策のために国土交通省は、平成26年「自動車整備人材確保・育成推進協議会」を結成。
自動車整備士の労働条件や労働環境の改善に力を入れ始めています。
今後は、厳しい自動車整備士の労働環境も徐々に改善されていくでしょう。
自動車整備士は、噂でも言われている通り、実際に過酷な労働条件の下で働いています。
自動車整備士という仕事は人の命を守り、車を安全に走行するために欠かせない仕事です。
人に感謝されたり地域貢献度も高いため、やりがいを感じられることも多いです。
今後は、政府も労働条件の改善に注力するため、今よりも働きやすい仕事に変わっていくでしょう。

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